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自助努力は、次の世代のためにも…

 2005年、司法書士国民年金基金は広報の一環で次のような記事を掲載しました。
 ---- 少子化が10年、20年後の日本社会に与える影響は、深刻です。2007年と言われてきた「日本の人口減少」が2年早く始まりそうです。長寿・高齢者は増加していくのに、出生数がどんどん低下しているからです。順送りで現役世代が高齢者を支える相互扶助・世代間扶養の社会保障制度が危機に瀕している、と叫ばれながら数年がたちました。しかし実際の市民感覚ではまだ、その実感はあまりないようです。現実に“痛みを分かち合う”状況には至っていないから、また、戦後半世紀にわたり右肩上がりの経済成長を担ってきた人たちの意識に、「これまでのように何とかなる」という楽観があるからかも知れません。
 10年、20年後のありさまを想像すると、社会を背負って立つ若い活力が大きく削がれた深刻な日本のイメージが浮かびます。老人が増え若者が少ないという近未来の世代構成の歪みは、今なんらかの手を打っても根本的には解消できません。たった今生まれた赤ちゃんが一人前の大人に成長するまでには20年、30年の時間が必要です。それでも今すぐ、未来の日本社会を見据えた本物の改革、子どもを産み育てる幸せが感じられる社会づくり、国民を幸福にする社会づくりを始めなければ、日本社会の将来は一層暗澹たるものとなってしまうかも知れません。(2005.10) ----
 残念なことにこの不安は解消されませんでした。それが今、政治レベルにおいて「国難」と呼ばれるような事態に至りました。社会保障の分野でもこれまでは増え続ける高齢者への対応に重点が置かれ、少子化や人口減少はさほど深刻な話題にはなっていませんでした。若者世代の苦境には関心が低かったように思えます。若者人口の減少で近い将来には労働力人口が激減し、現在の日本のさまざまな仕組みは維持できなくなります。そのときになって気づいても、労働環境や育児環境の改善も含め晩婚化や非婚化の対策を直ちに始めても、ぽっかりと空いてしまった活力ある世代のブランクは埋めることができません。 都市近郊のベッドタウンで高齢者・高齢者予備群の夫婦、あるいは独居の家が増えていると、広報でお伝えしたことがあります。その後気づいたのですが、かなりの割合がその高齢者の方が購入、あるいは新築した家らしいのです。1960年代以前の狭小な建売ではなく、モダンな建物。それが今、ひとつ、またひとつと、無人になっていきます。一世代で役目を終えてしまうマイホーム……やりきれない思いが募ります。
 核家族などは遥か過去の言葉。家族の解体、若者の晩婚化や非婚化など、少子化の一因と思えるさまざまな現象が進行します。それは社会の仕組みのせいもあるのでしょうが、世相や風潮がかなり大きく影響しているようにも思えます。様々な政策も、旧来の思想や手法の繰り返しでよいのでしょうか。国も私たち国民も、もっと根本から、家族とは、夫婦とは、親子とは、人生とは、世間とは、社会とは、国とは……と問い直さなければならない時期に至っているのではないでしょうか。
 それでも、ようやく国政が人口減少対策に本格的に着手したことは、前進であると期待します。日本はこれまでにもいくつもの苦難を乗り越えてきました。叡智と努力を集めれば何らかの解決策が見えてくるだろうと信じます。しかし、人口減少対策に本腰を入れれば、年金、医療、介護その他多くの分野で、高齢者への対応は相対的に低くなってくるであろうことが想像できます。
 「自助努力」とはまず自分と家族を守り、それは個人の行動であっても社会の負荷をわずかでも軽減することに繋がることを、これまでも繰り返しお伝えしてきました。自分たちの老後のため、次の世代が安心して生きられるために、国民年金基金のシステムを活用していただきたいと念願します。
司法書士年金の沿革(詳細はこちら
1991.4 年金法改正により国民年金基金が誕生。5月に47地域型基金がスタート。
1991.7 日本司法書士会連合会定時総会の決議に基づき、司法書士の福利厚生制度の充実を図ることを目的に、司法書士国民年金基金設立総会を開催。
1991.8 10番目の職域型基金として「司法書士国民年金基金」設立。加入員は3000名。
1995.7 加入員が4000名を超える。
1998.4 年金資金の運用を自主運用から共同運用へ移行。
1999.2 国民年金基金全体の加入員が100万人を超える。
2003.3 加入員が、設立時の最初の目標であった5000名を超える。
2014.8 加入員 約6900名

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