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 2008年アメリカ発の金融危機は、瞬く間に世界中に広がり、この先どのように展関していくのか予想することができません。わが国でも金融や輸出入等の経済事情の悪化に伴い、労働環境も驚くほど冷えたものとなっています。そんな中で“ワーク・シェアリング”などという言葉をしばしば耳にするようになりました。
“シェア/share”とは、わが国では専ら「販売のシェア」のように経済用語の市場占有率として用いられてきましたが、近年では“シェアリング/sharing”という用語から、「ルームを友人とシェアする」などと、分かち合う、共有する、という意味で使われるようになっていました。それが危機のさ中の現在では、職場や勤務時間を分け合うために使われるようになり、辛く厳しい世の中をストレートに反映していることを感じさせます。シェアリングが、かつての「合理化」や「リストラ」のように間違った用い方をされないよう祈ります。
“シェア”には別の意味もあります。それは「役割、貢献」というものです。今、あらためてこの言葉の奥の深さを噛みしめます。
 およそ60年前、敗戦後の焦土の中から立ち上がり復興に力を尽くした人々は、既に高齢者となり、これに続く戦後ベビーブームの“団塊の世代”は、激しい競争の中で高度技術化や高度情報化に貢献し、現在は徐々に高齢者の仲間入りをしています。
 ところで、働き盛りの現役世代は、あらゆる活動の国際化・グローバル化が進むなか、さまざまな社会システムの安定に努力し、バブル経済破綻後の修復にも尽力してきたのに、予想もしなかった危機に直面せざるを得なくなり、その対処に力を注がなければならない立場に置かれています。
 さらに現役の人々の次の世代、若い少子化世代は、爛熟とも言える時代を謳歌しているはずであったのに、世界不況が突如目の前に出現してしまいました。貢献する機会も与えられないうちに、厳しい現実に直面せざるを得なくなっているのです。

 さまざまな世代はそれぞれ尽力し、社会に対する役割を果たし貢献してきましたが、結果として厳しい環境の下で生きていかざるを得なくなったのが現実です。これからの社会を復元させるためには、各々がいったいどのような役割を果たしていけばよいのでしょうか。近年の状況の激変ぶりの下にあっては、その処方箋は容易には見つかりそうもありません。
 しかし、自分でできることを行い自分を守る、即ち自助努力によって自分の未来を確保する、という方法はある……ということは分かっています。そしてこのことは、急速に減少が進んでいる若年世代に過大な負担をかけないことに通じます。それは、彼らの世代や個人に、というだけではなく、世の中全体の未来を守ることに通じると思えるのです。
 人は必ず年老いてやがて去っていきますが、次の世を担い生きていくのは現在の若年世代や青少年、幼児たち、これからこの世に参加してくる赤ちゃんたちです。
 飛躍した論法のようにも思えるでしょうが、たとえば「自助努力の積立方式」で国民年金基金の年金を将来数万円受給することによって、未来を担う次の世代が仕送り方式で行う公的年金の負担を、数万円軽減することができるのは、同じ世に生きる人間として果たせる役割であります。これこそが“シェア”や“シェアリング”の持つ意味の、最も意義深い部分ではないかと考えるのです。
 自助努力による「確かな未来」は決して自分だけにもたらされるものではなく、世の中にも確かな未来を与えてくれるであろうと考えるのです。
司法書士年金の沿革(詳細はこちら
1991.4 年金法改正により国民年金基金が誕生。5月に47地域型基金がスタート。
1991.7 日本司法書士会連合会定時総会の決議に基づき、司法書士の福利厚生制度の充実を図ることを目的に、司法書士国民年金基金設立総会を開催。
1991.8 10番目の職域型基金として「司法書士国民年金基金」設立。加入員は3000名。
1995.7 加入員が4000名を超える。
1998.4 年金資金の運用を自主運用から共同運用へ移行。
1999.2 国民年金基金全体の加入員が100万人を超える。
2003.3 加入員が、設立時の最初の目標であった5000名を超える。
2008.8 加入員が6000名を超える。

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